今回は、ハセガワのヒストリックカーシリーズ45 1/24 TOYOTA MR2(AW11)G-Limited Super Charger (T Bar Roof) 1988を製作します。初代MR2の後期型Gリミテッドですね。キットは、ルーフがTバールーフとノーマルルーフの選択式、4AGエンジンも上面のみ再現ですが、こちらもスーパーチャージャーとNAの選択式となっています。新規設計で発売されたテンロク・コンパクトボディのミッドシップ2シーターのキットはどんな感じなのでしょうか。
仮組み
組立説明書に一通り目を通して全体の流れを確認しておきます。あとで泣きを見ない様に重要な箇所にはマークをしておきましょう。ボディ関連のパーツを切り出していきます。分割が多いので合わせはしっかりやっておきたいですね。
【注意】組立説明書にもありますが、ボディのルーフ部分のフレームは切り離さない様にしましょう。下に出ている2本の円柱は不要部分なので慎重にカットします。 説明書を疎かにした私はルーフの補強板兼ランナーだと勘違いしてフレームごとカットしてしまい、補修となりました…
カットしてしまったものは仕方ないので、足りない部分を少しプラ材で延長・加工して元に戻します。せっかくなので、実写の写真を参考にそれっぽい形にしておきました。
ボディ関連のパーツを仮組みして合いと隙間、面が合っているかを確認します。前バンパーは少し複雑な組み方なので、ボディを下部シャーシ取り付けた状態で調整をしておいた方が塗装後の取り付け時に調整する手間が減ると思います(結構これで難儀しました)。また開閉するリトラクタブルライト、エンジンフードも念入りに調整しておきます。
ボンネットにあるエンブレムとウィンドウウォッシャー液の噴出口は、別パーツ化します。お湯まるくん等で型を取った後に、位置が分かる様に0.5mm程度のピンバイスで穴を空けてから平滑に均します。こうしておけば研ぎ出しが楽になるし、別体感が出てリアルに感じますね。
塗装前のボディ処理作業
各部の調整が終わったら、捨てサーフェイーサーを吹いて、傷やヒケ、凹みを確認しつつ600〜800〜1000〜1500番均していきます。傷や凹みが深い所は、パテ埋めして再度調整していきます。合わせてスジが浅いところは掘り直していきます。
ボディのルーフ、ピラー等の黒部分はボディ色塗料+クリアーの塗膜の厚みは避けたいと思ったので、この段階でマスキングしてしまいます。
ボディ塗装
ボディ色は白としました。クレオスのMrフィニッシングサーフェイーサー1500ホワイトを吹き、乾燥後に2000番のスポンジヤスリで軽く撫でてザラつきを落としてから、ガイアノーツのEXホワイトで塗装します。
シャーシその他
シャーシ(車体下面)とエンジンルーム上部もボディ色で塗装します。黒の塗り分けがあるので、マスキングして塗装します。シートの裏面もついでに塗装しちゃいます。
順番前後してしますが、シートを組み立てておきます。段差と合わせ目が出るので、気になる場合は修正しておきます。
クリアー塗装の前に
ボディにクリアーをかける前にボディのロゴなどのデカールを貼っておきます。装飾ラインのデカールは前後バンパーとボディに渡り繋がっているので、位置合わせのために前後バンパーを仮止めしてからデカールを貼っていきます。ちなみに説明書の指示にはありませんが、淡色の装飾ラインのデカールも付属していますので、ダーク系のボディ色にも対応可能です。
リアスポイラーにも装飾ラインがあるのでデカールを忘れずに貼ります。ハイマウントストップランプもデカール表現なので、クリアー前に貼っておきます。ここはクリアーパーツにして欲しかったところですね。
クリアー塗装と研ぎ出し
ボディ色に塗装したパーツにクリアを吹いていきます。今回はガイアのEXクリアーを使いました。研ぎ出し時にデカールの段差を無くす為にロゴがある箇所は厚めに塗装します。
3日程乾燥させたら研ぎ出しに入ります。スポンジヤスリとラプロスで塗面を平滑にし、コンパウンドで艶出しをします。控えめにスミ入れをしてボディは終了です。
ボディの艶出しが終わったら、ボディ面をマスキングしてルーフの黒を塗装します。
下回り
塗装と塗り分けが終わったシャーシーパーツにエンジン下部、ギアボックス、サスペンション類の足回り等を組み付けていきます。
サスペンションのハブのポリキャップはホイールパーツに軸が入りやすい様に、爪楊枝でクイッと広げておくと差し込み時にパーツに負荷が掛かり難くなります。
マフラーカッター(出口パイプ)はメッキを落として、内部を削り込み肉厚を薄く、ピンバイスで奥行きも深くしてそれっぽく加工します。表面を整えての艶黒からクレオス・スーパークロームシルバー2で塗装します。
エンジン上部
4AGエンジンは上面と下部のみの再現です(写真は上部)。塗装する前にプラグコードを追加再現するためにヘッドとディストリビューターにピンバイスで穴を開けておきます。またエンジンをまるっと再現したい場合は、3Dプリント製のパーツがPLUSALFAさんから発売されていますので、検討してみてはいかがでしょう。
プラグコードを追加してみます。赤のコードが手持ちになかったので黒コードを塗って代替えします。キャップ部分は皮膜に半分切り込みを入れ直角に曲げた後、瞬間接着剤を持って丸く整形してそれっぽくしました。
準備したプラグコードを設置します。コードを差し込んでいきますが、大抵塗装の厚みで入っていかないので、ピンバイスを再度通して広げておきます。またバッテリーのマイナス側のケーブルも追加しています。
タイヤ・ホイール
タイヤは中のランナー?付きなので、切り残しが無いようにカットします。ホイールに仮で履かせてリムから浮いていないかを確認します。
ホイールは半艶メッキ品ですが、リムの凹み傷やヒケが気になったので、メッキを落として修正します。ホイールを修正したら、白サフからスーパージュラルミン2で塗装します。塗面の光具合を見て必要であればセミグロスクリアーで輝度を調整します。
内装
内装は説明書通りに塗装、塗り分けをししたら、メーター類のデカールを貼り付けます。
内装パーツを取り付けていきます。パチピタで収まっていくので気持ちいいです。
外装/ボンネット
ボンネットのエンプレムをプラ板から作っていきます。お湯まるくんで型を取りましたが、いまいち上手く取れていなかったので今回はスルーしてプラ板から作ることにしました。0.2mmのプラシートにエンブレムのデカールを貼ります。剥がれ防止も兼ねてクリアーを吹いておきます。
乾燥後にエンブレムのフチにそってカットし形を整えます。形が決まったら再度クリアーを厚めに重ね、艶出し後に黒で縁飾りをします。
ウォッシャー液の噴出口(ウォッシャーノズル)は、型取りしたお湯丸くんにUVパテを流し0.3程度の洋白線を差し込んだ状態で硬化させます。硬化後に形を整え黒サフで塗装しておきます。 ボンネットパーツの穴あけしてあった元の位置に水性接着剤を使い固定します。
一番マスキングが手間だったリアウィンドウの窓枠の塗り分け。ちまちま細切りしたテープを枠に沿って貼っていきますが、貼る場所が狭いので根気で乗り切ります。筆塗りでもよかったでしょうかね。
ヘッドライトはリトラクタブル式。分割されていて組みやすくなっています。レンズボックス?のサイドにボディ色が来るので、付属デカールか塗り分けをします。白ボディの場合はデカールが付属していますが、透けが大きいので、デカールをコートしてから白塗料を上乗せしました。
リアのコンビネーションランプは一枚のクリアーパーツになっているので、ブレーキ、ターン、バック、ベース色、ナンバープレート部とそれぞれ塗り分けをしていきます。細切りマスキングを繰り返していきますが、めっちゃめんどい!
ウィンドウガラスはキットに塗り分け用のマスキングシートが同梱されているので、それを使用います。微妙にずれている場合もあるので、分割して枠に合わせた後に隙間を別のマスキングテープで埋めてから塗装します。フロントガラス上部のシェードはデカールで再現するようになっていますが、今回は塗装で表現しました。
各パーツの取り付け
すべてのパーツの仕上げが終わったら、取り付けに移ります。
リアのライト部の取り付け。メッキパーツの反射版を取り付けした後に、ライトパネルのパーツを取り付けします。
リアバンパーの取り付け。ボディに取り付ける前にリアバンパー裏面下部に牽引用のステーを接着しておきます。ポロリしやすいので、しっかり接着します。
切り取ってしまったルーフのフレームを接着します。
リアウィンドウ、エンジンカバーを取り付け。開閉具合をチェックして、塗膜等でアタリがきつい様ならここで調整します。
シャーシーに内装を取り付けます。
ボディとシャーシを合体します。後部から差し込み若干ボディを広げつつ滑り込ませます。
タイヤとリアスポイラーを取り付けます。
フロントバンパーとライト、フロントとサイドウィンドウを取り付けます。ウィンドウは接着しろが少ないので、流し込みタイプの接着剤は使わず、水性クリアータイプの接着剤を極少量の点付けで止めました。
ワイパーを取り付けますが、少々やっかいです。規定のピン位置に合わせるとまったく収まりません。先にウィンドウ面にブレードを合わせ、粘着力を弱くしたマスキングテープなどで仮固定してからステー部とカウルを水性接着剤で点付け接着します。ピン部分は浮きますが、ほぼボンネットパーツで隠れるため、あまり気にしないようにします。さらにこの状態だとボンネットバーツがワイパーと干渉するので、裏側の縁を削って調整します。調整が終わったらボンネットを仮置きして、リトラクタブルライトが開閉できるか確認します。塗膜の厚み等で動きが渋くなっている場合は調整してから、ボンネットを接着します。
完成
サイドミラー、サイドターンランプ、ナンバープレートなど細かいパーツを取り付けて完成です!画像なしですが、サイドミラーの鏡面はメッキを落とし平滑に整えた後にハセガワミラーフィニッシュを貼って仕上げました。
Gallery
ハセガワ製初代MR2を製作していきました。実車取材に基づいたキットは細かい所まで再現されていて実車の構造がとてもよくわかる構成になっています。パーツの合いはとても良かった印象ですが、合いが良すぎてクリアーのオーバーコートまですると塗膜の厚みでかえって調整が大変になることも。特にこのMR2はヘッドライトとエンジンカバーが開閉式なので、組んだ時や完成後に開閉した時にカリッと塗装を剥がれさせないように注意が必要ですね。エンジンフード開閉はオミットしてしまってもいいかもしれません。エンジンの再現も微妙ですし… あとは手間がかかるのはリアのライトの塗り分けぐらいで、その他はスムーズに組めるキットでした。お値段もお安めなので、興味があれば手に取ってみてくださいね。