アオシマの楽プラ、R32GT-Rを毎度の楽じゃない方で作ってみる、です。いつも通りメーカーさんの意向に反して、全塗装と少々のディティールアップで作っていきます。キット内容は、楽プラフォーマットでパーツ点数は抑えられ、組み立て簡単、シールも少なめであっという間に作れちゃいます。また最近の楽プラキットで定番の車高選択式となっていてノーマルとローダウンの車高を選べます。完成後もタイヤを外して組み換えが可能です。ボディカラーは5色展開、「レッドパール」「スパークシルバー」「ブラックパールメタリック」「クリスタルホワイト」「ガングレーメタリック」のラインアップ。どの色にしようか迷います。作例は定番のガングレーメタリックです。
仮組み
パーツを切り出して並べてみます。パーツ構成は従来と変更無し。
各部が組み上がりました。
仮組みしてみます。ノーマル車高の状態はかなりの腰高な印象。純正ホイールのスポーク形状もこんなだったかな?という感じです…
シャーシの状態。シャフトを上下2段になっているガイドに通す様になっています。下側はノーマル車高、上側でローダウンになります。
ローダウン車高はこちら。これまた極端にシャコタンな感じです。
ノーマルとローダウン状態の中間くらいが良さそうなので、車高調整のためにシャフト位置を変更をしてみます。
車高調整
まずはシャフトのガイドの仕切りを削除します。仕切りの跡が段差にならない様に削ります。
タイヤ位置が中に入り気味だったので、ここもフェンダーとツライチになるようにスペーサーをかまします。シャーシー側のタイヤハウスが逆テーパーになっているので、スペーサーに下側が広くなる様に台形に整形してシャフトに通します。
シャーシーのセンター部へプラ板をかまして、プラ板の厚さで車高を調整します。位置が決まったらタイヤハウス側の溝に細切りのプラ板を詰めてシャフトが上がらない様にしておきます。
前後とも同じ工作をした状態がこちら。シャフト自体はシャーシーセンターのプラ板に接着剤で固定しておきます。切って貼った感がすごくありますが、とりあえず車高調整は終了です。
ボディ
塗装の前に軽く表面処理をします。ボディ、サイドミラー、リアスポイラーと、画像にはありませんがフロントスポイラーもボディ色なので忘れずに。またボディにあるエンブレム、ウォッシャーノズル等のモールドは削って平らにします。位置が分からなくならない様に、ピンバイスで穴を開けるかケガキ針等で深めに印をつけておきます。
捨てサフを先ほど処理したパーツに塗装します。
捨てサフが乾燥したら、800〜1000番程度のスポンジヤスリ、耐水ペーパーヤスリで傷やうねり、ヒケを消していきます。
捨てサフからの処理と改修箇所の作業が終わったら本サフ(クレオスフィニッシングサフェーサー1500)を吹きます。作業順序が前後してますが、改修箇所は以下で説明です。
改修箇所その1 フロントのナンバープレートを薄く削ります。全体は削らず、裏側の縁を実車っぽい薄さまで薄々攻撃します。
改修箇所その2 位置決めのためのマーキング用に穴あけをしたら、ボンネット部のエンプレム、ウォッシャーノズルとサイドエンブレムのモールドを削除します。エンブレムは付属シールを使って再現します。
改修箇所その3 リアエンプレムにモールドもフロントと同様にマーキングの穴を開けて削除します。トランクキーのシリンダー部も穴あけしておきます。ターンランプはキットだとシールを貼る様になっていますが、今回はモールドに沿って掘り込んで再現する事にしました(が、後になってここは貫通させておけばより作業的にも見た目的にもよかったと反省)。またリアバンパー下部の牽引フックも突起になっているだけなので、削除して穴あけしておきます。こちらは後程、金属線で再現します。
ボディ色はガングレーメタリックを塗装します。調べてみると単品でこの色の塗料は無い様なので、塗料を混ぜて調色して作ります。タミヤラッカーLP-19ガンメタルをベースに、クレオス色の素シアンでガンメタルの赤味を青味に振って、クレオスクリアーブラックまたは、ウィノーブラックで明るさを落とします。好みの色に調色できたら塗装です。
調色した塗料をエアブラシで吹き付けます。1/32のサイズ的にメタリック粒子がすこーし大きかったかなという印象。色味的にはいい感じです。
水性クリアー塗装・研ぎ出し
ガングレーメタリックが乾燥したらクリアーでコートします。今回はクレオスのプレミアムトップコート光沢を使ってみます。ラッカー塗料の上から水性塗料を塗装することで、下のラッカーを侵す事なくクリアーを乗せせられるはず。特に重要なのが、メタリックの場合は同じ系統を重ね塗りすると粒子が移動してしまうリスクがあるので、これを防ぐことが主な目的です。
スプレー缶のままシュッシュとクリアーを吹きます。最初は軽く砂吹きして足つけと下地塗面の様子をチェックします。とりあえず、問題無さそうだったので、一回り吹いてみます。 水性の特徴?なのか細かい泡というか白濁した箇所も出ましたが、時間をおいたらキレイに澄んだ状態になりました。30分程度間隔を空けつつ3回コートしました。ここは気温や湿度によって変わってくると思います。時に水性の場合はラッカーよりも気温と湿度に影響されるのが大きくなることが予想されます。この辺は今後の経験次第かなと思います。
3日ほど乾燥させたら研ぎ出しをしてみます。品質が完了されて従来より塗膜が硬くなり問題なく研ぎ出しができました。クリアー面はとても綺麗で水の膜が乗った様な澄んだ印象です。多少ラッカーより柔らかい感じがしたので、4000番くらいから様子を見ながら慣らしていきました。ゆず肌が大きい箇所はヤスリの番手を下げて平滑にしていきます。写真は神ヤス10000番まで研いだ状態。仕上げにコンパウンドで磨きます。
使った道具:ラプロス4000(2400)、6000(4000)、8000(6000)、神ヤス5mm4000、6000、8000、10000、タミヤコンパウンド細目、仕上げ目
ライトを反射せてみるとこんな感じです。写真ではなかなか艶感が伝わりにくいと思いますが、問題無く艶出しができました。
内装
内装はクレオスフィニッシングサフェーサー1500ブラックを塗装した後にグレー部分を塗り分けします。ダークシーグレーを使用しました。塗装しやすい様に折り部分で分割しています。
内装のダッシュボード、ステアリングに付属シールを貼ります。
内装を組み立てます。パチっと固定されますが、念のため切り離した箇所は接着剤を流しておきます。
ブレーキ自作・タイヤ
ブレーキ関連は再現されていないため、ブレーキキャリパーとブレーキディスクをブラ板で自作します。写真等を参考にして大体の形を切り出ししていきます。ホイールパーツとの干渉もチェックします。
キャリパーとディスクを別々に塗装します。乾燥後にタイヤに仮止めしてキャリパーの位置を調整したら接着します。
ホイール部もパーティングライン、ヒケ、傷を消して整形していきます。サフ→黒鉄色を塗装しました。ナット部はエナメルで塗っておきます。
タイヤパーツのゲート跡、パーティングラインは処理してこちらもクレオスの黒サフ1500で塗装して、自作したブレーキパーツを位置合わせ後に接着します。タイヤ固定のためにマスキングテープなどでマーキングしておきます。ホイール面も位置決めしてはめ込みます。失敗しても裏側から、つまようじを押し込んでやれば簡単に外れるので接着剤は使用しない様にします。
ウィンドウ
ウィンドウガラスは内側と外側から黒を塗装します。裏側が前後ガラスの内枠をモールドに沿ってマスキングします。
表側は窓枠モール、前後ワイパーをモールドに沿ってマスキング後にクレオス1500サフ黒をエアブラシで吹きます。
外装・ディティールアップ
牽引フックを自作します。真鍮線0.5mmをクニっと曲げて、サフ黒を塗装した後に、開口した穴に差し込みます。裏から水性接着剤をスッと置き、少し固まってきたら、そこで位置調整をします。
ボディにエンブレム類のシールを貼り付けます。目印に開けておいた箇所にシールをそっと置いていきます。付属シールはしわや折り目が付きやすいので、慎重に扱います。台紙側を折りながらめくると曲がりにくくなります。また余白が大きいシールは余白分をカットしてから貼り付けます。
エンブレムやナンバープレートなどの枠が黒いシールは、カットの都合で断面まで色が回っていないので、そのまま貼ると断面が反射で光ったりして目立つ場合があります。そこで黒やグレー系のマーカーでシールの周りをサッと塗ってやると目立たなくなります。
穴開けしておいたトランクキーシリンダー部に金属線を埋め込みます。今回は0.8mmの真鍮線を使用し断面を平らになる様に削ってから裏側から差し込みます。位置が決まったら余分な部分をカットして接着剤を載せておきます。リアのターンランプは透明ランナーを掘り込んだ形に合わせ整形し、クリアーオレンジを塗装してからペタっと貼り付けます。
ウォッシャーノズルを自作します。プラ板に0.3mmの真鍮線を差し込み余分な部分をカットしたら、ヤスリで形を整えていきます。
フロントライトのカバーは差し込み用のピンがあるので、これはカットしてしまいます。カットした部分は削りこんで平滑にした跡、コンパウントで磨いてピン跡を消します。
サイドミラーのミラー面は透明ブラバンを切り出し、裏からシルバーを塗装しておきます。今回はミラーフィニッシュは使わずお手軽再現にしてしまいました。
最終組み立て
各ブロックの仕上げが終わったら組み立てに入ります(写真に写っているシャーシー部は車高調整が途中の状態でした)。フロントライト左右はクレオスGXクリアーオレンジ、リアライトはクレオスGXクリアールージュで塗装しました。フロント吸気口はフラットブラックで塗装、マフラーは穴あけしてからテールパイプ部を表面研磨→グロスブラック→クレオススーパークローム2で塗装しました。
ウィンドウガラスを取り付けます。キットによるかもしれませんが、合いがよろしくない箇所があったので、マスキングテープで抑えつつ仮止めしてボンド系の粘度高めの接着剤で止めて固まるまで放置します。それでもリア側でボディとの隙間ができた箇所もありましたが、そのまま進める事にします。
ボディ側とシャーシ側が組み上がりました。
完成
ボディ裏側と内装のほこりをブラシ、ブロワー等で取り除いてからボディをシャーシーにはめ込みんで、完成!
リア側です。
Gallery
アオシマ ザ・スナップキット ニッサンスカイラインR32GT-R を楽じゃない方で制作してみました。キットの方はいつも通りのカンタン組み立てですが、車高をノーマルとローダウンで選べる機能は必要なのかなと不思議に思うところでした。個人的にはどちらの状態もうーんという感じがしています。以前作ったR35やGRスープラは絶妙な車高でしたのに…
今回、クリアーコートはお試しも含めてクレオスの水性プレミアムトップコートを使用してみた訳ですが、とても綺麗に仕上げる事ができましたので、今後もメタリック塗装やレースカー等の全体デカールのクルマにも使ってみようかなと思える使い心地でした。塗膜が柔らかいわりに艶が出ますし、研ぎ出しの回数も少なかった様に思います。もっと早く使ってみればよかった…
現在では超高価格車になってしまったR32GT-Rをお手軽に作れる「楽プラ」のキット。塗装なんかしなくてもボディつやつやでカッコいいGT-Rが作れちゃいます。気になった方はこの記事の内容は気にしないで、手に取って楽しく作ってみてくださいね!